だんらん



パチパチ、パチパチ

暖炉から火の粉が踊るように飛び出して
そしてゆっくり消えていく。




だんらん




冬の、雪がしんしんと降り積もる午後のこと。

凍てつくような外の寒さが嘘のような、暖かい暖かい部屋に二人。

ホットココアと洒落こんで、他愛も無い話で盛り上がっていました。


「スクアーロってね、女の人と手ェつないだだけで真っ赤になっちゃうんだって!」
「うししっ!そーなの?あいつウブだからね。」


なんだか結構楽しそう。


外は相変わらずの雪。

窓にはいくつもの氷柱が仲良く並んでいる。



「ベルと話すと楽しいよ。いっつも面白い話してくれるんだもん。」
「ししっ!だって俺、王子だもん。」


ニッと大きな口を顔いっぱいに広げて金髪の少年は笑う。



「でさ、スクアーロってヅラなのかな?」
「そうだろ。あれ、ずれないのかな?ずれないのかな?」

「俺、スクアーロの剣にラクガキしちゃったし。」
「そうなの?やるじゃんベル!」

「スクアーロの隊服、虫食っててね。私とかルッスーリアが直してあげようとしたのに、
自分で直すってきかなくて・・・余計大穴あけちゃってさ。」
「しししっ!俺がもっと切り刻んできてやろうかな〜。」


「でさ、スクアーロ・・「うお゛おぉぉい!!おめーらさっきから俺の話しかしてねーじゃねーか!!」


ドガッ!!


ドアが蹴破られて、長い銀髪を振り乱しながらスクアーロさんがやってきました。


「「あ、ハゲ」」

「ハモるな!!俺はハゲて無ェ!!」

「「・・・フッ・・」」

「ハモるな!!ってか何その笑い!?ハラ立つぞぉ!!」



スクアーロがイライラをぶちまけていると

「もぉー!うるさいわよスクアーロ。マーモンが起きちゃったじゃない。」
「カルシウム不足だね。ということでスクアーロ。
僕を起こしたから罰金50000ユーロだよ。」

ルッスーリアとマーモンもやってきた。

!ベルの部屋にいたの?
もぉー探したのよ!」
「ごめんねルッスーリア。今まで皆の噂話してたんだ。」

「ほとんど俺のはなしだったけどな。」

スクアーロが恨めしそうな顔でベルとを見る。

「あらぁ、面白そうねvV私もまぜてちょうだいv」

ルッスーリアが近くのソファに腰を下ろす。

「じゃあ僕もやろうかな。情報提供10000ユーロだよ。」

マーモンもちょこん。とのひざに座る。


「うお゛おぉい!また俺の話・・・い゛っ!!」


ドガッ!!

スクアーロの後頭部に花瓶がヒットした。



「うるせぇカス・・・。」


やっぱり我らがボスだった。

花瓶は投げたが、中にはいっていた花は丁寧にのけてある。
実はやさしい人だった。


「いってぇぇ・・・何すん・・いだっ!」

次は鳥かごが飛んできた。

でもやっぱり中の鳥さんたちはボスの手のひらにちょこんと乗っている。
やっぱり良い人だ。


「あ、ボスこんにちはー。」
「今からみんなでお話しするの。一緒にやりません?」


「・・・やる。」


ということでボスもソファへドカッ!と腰を下ろした。




パチパチパチ、パチパチパチ

火の粉のダンスはますます加速をする。

暖かい暖かい部屋の中。

赤いソファにホットミルク。これさえそろえば準備はOK.

さぁ友達を呼びましょう。


たのしいたのしい
だんらんのおじかん。



・FIN・


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